GTDは「忘れたいことを忘れることができる」技術ではない
タスク管理について書かれたnoteを読んだ。
タスク管理とは「忘却する」スキル|播磨 直希
タイトルには「タスク管理」と表現されているが、内容としてはGTDの説明とその有用性について語っている記事であった。
おおむねのところ同意する内容ではあったが、一部「ん?」と引っかかる箇所がある。
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GTDに習熟すれば何でも忘れられる?
先の記事によると、「週明けに得意先に謝りにいかねばならず、週末をエンジョイできない」という事態が発生してもGTDがそれを解決するという。
こんな哀しい事態も、タスク管理による「一時的な記憶の忘却」スキルが身についていれば防げるというわけです。
いや、それは違うだろう。
GTDは「覚えていないといけないことを、システムに預けることで忘れることができる」メソッドであり、「忘れたいことを忘れることができる」技術ではない。嫌でも想起してしまう事象については、GTDは機能しないのだ。
忘れることに「慣れる」ことはできる
とは言え、GTDを実践することで「記憶の忘却スキルが身につく」という側面は確かにある。
GTD以前は「覚えておかなきゃ」と思っていたことでも、システムに預けた後は、まるっきり忘れる習慣を得ることができた。これにより大幅にストレスが軽減されたと感じている。
が、たまに以下のような落とし穴にズボッとはまることがあるので注意が必要だ。
GTDのシステムが崩れると困る
先日、ブログのネタを思いついたので、スマホのWorkFlowyアプリに記録しておいたつもりだったのだが、記録されていなかった。原因はよくわからない。
その日のうちに記録されていないことに気がついたにも関わらず、どんなネタだったのかを思い出すことがどうしてもできなかった。GTDを実践し始めてから、頭の外に出したものは、すっかり忘れてしまうようになったからだ。
だからGTDがダメかというと、決してそうではない。記録が必ず残るようなシステムを構築すれば、GTDはかならず役に立つ。
ちなみに自分は、絶対に忘れてはいけない案件はシステム(Excelのタスクリスト)に預けたとしても、紙ベースでも関連資料を残しておいてダブルチェックできる体制を構築している。
あとがき
GTDのシステムができあがれば、覚えておく必要が無いことはいったん忘れることが出来る。だから忘れないようにするための労力・ストレス・不安感を考慮すると、ぜひGTDを実践すべきであると言えるだろう。
あとは「忘れたいことを忘れることができる」技術があれば、ぜひ習得したいところなのだが・・・。