子どもが宿題をやらないのは、「やらない」のではなく「やれない」から
今年で息子は小学校一年生になりました。幼稚園と違って小学生になってからは、当たり前のように宿題が課されます。
宿題といっても一桁の足し算であったり、ひらがな・カタカナの書き取りといったり簡単な内容です。それにも関わらずグズグズと渋って、なかなか宿題に取り掛かろうとしません。
そんな様子を眺めながら、頑張れと励ますこともあれば、時にはキツく叱ってしまうこともあります。「なんでそんな簡単なことをやろうとしないんだ」と。
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「簡単」って誰にとっての簡単?
しかし最近考え直しました。「簡単」っていうのは自分にとっての簡単であって、息子にとっては決して簡単ではないのだと。
もちろん一桁の足し算なんて、6歳の息子は間違ったりしません。採点すると、まず満点です。
ただ解答するまでのプロセスを考慮すると、大人のそれとは違って、もしかすると随分消耗しているのかもしれません。何を消耗するかというと、それは「MP」です。
宿題でMPが枯渇する
タスク管理界隈で「MP」という考え方があります。認知資源をMPに例えているのです。
MPというのは、ドラゴンクエスト等のロールプレイングゲームで、呪文を唱えるために必要となる数値のことです。MPが少なくなると呪文を唱えられず、行動を起こせません。
例えば、大変そうに思えるプロジェクトになかなか手が付けられないのは、そのプロジェクトを実行するためにMPを大量に消費してしまうから。あるいは夕方になると単純作業しかやりたくなくなるのは、それまでにMPを使い切ってしまっているからと言えます。
一桁の足し算は大人であれば消費MPが1ポイントであっても、子供にとっては5ポイントなのかもしれません。大人であってもMPが足りないとやる気が出ないのですから、子どもならばなおさらのことでしょう。宿題をやりたがらないのを、一概に叱ることはできません。
MPを温存する方法を教える
息子が苦しんでいるのは、週末分として出されている宿題のようです。大量にあるため先送りにしてしまって、日曜日にまとめて処理しようとしますが上手くいきません。どこかで見たことがある光景です。
対処法として、宿題の分割を教えてあげました。
- 一気にやろうとするからMPが足りなくなる
- MPは寝れば回復するから、何日かに分けて取り組めばいい
そんなことを易しい表現で伝えました。理解したかどうかは怪しいところなので、出来る限りサポートしていくことにします。
あとがき
このMPというメタファーは実に的を射ています。この概念を知ってからは、やる気が出ない自分を責めることが無くなりました。「だってMPが足りないんだもの」と客観視して平静を保っています。
そして大変そうな仕事は、朝のMPが豊富な時間帯に処理するようになってうまく回っている実感があります。