書評:『管理しない会社がうまくいくワケ』~外向き思考がみんなを救う~
2017/09/13
当ブログで、度々おすすめの書籍として取り上げている『自分の小さな「箱」から脱出する方法』。
そのシリーズの新刊が2017年8月25日に発売されましたので、さっそく購入して読んでみました。
自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ
以下、読了しての所感です。本記事での引用箇所は、すべて『管理しない会社がうまくいくワケ』からです。
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本書はビジネス面がメイン
『管理しない会社がうまくいくワケ』というタイトルから分かるように、本書はビジネスシーンが多めになっています。
ダメだった会社が、いかにして業績の上がる会社に変貌していったのか。それを複数の会社の実例を交えて解説していますので、説得力があります。
基本は『自分の小さな「箱」から脱出する方法』のコンセプトと同じ
本書で頻繁に登場するキーワードは「外向き思考」。『自分の小さな「箱」から脱出する方法』での「箱から出る」という表現と同じ意味です。
「箱に入る(自己正当化する)」と相手を人ではなく、モノ扱いしてしまいます。
「自分がほかの人たちに何が出来るか」ではなく、「まわりの人間が自分に何をしてくれるのか」がおもな関心事になっているのだ。
そうではなく、相手をキチンと人として扱って、相手のために何が出来るかを考えよう。これが本書でいうところの「外向き思考」です。この主張は、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』で述べられていることと同じですね。
外向き思考に変わった人は、相手を変えようとはしない。
相手を人として見ていれば、たとえ相手が何を言ってこようと、容易に共感できます。
”思い”がないと相手には届かない
例えば、ウマの合わない上司がいたとします。嫌いだけど、一応上司なので従順なフリをすることでしょう。しかし、あなたの考えは上司に見透かされています。
「従順なフリをする」ことでは、人間関係は改善されません。では、どうすればよいのでしょうか。
物事のカギを握っているのは常に、行動だけでなく、プラスアルファの”何か”だということ。
その”何か”とはマインドセットのこと。本書におけるマインドセットの定義は以下の通りです。
物事をどう見ているかー人や環境、直面している問題、チャンス、責任といったものをどう捉えているかを意味している。
一見、相手のことを思っている行動をとったとしても、それは意味がありません。
”思い”のない行動は、相手の心には刺さらないのです。
目標を達成するには、マインドセットを変える必要がある
- 行動を変える → 目標を達成できる
ではなく、
- マインドセットを変える → 行動が自ずと変わる → 目標を達成できる
という流れが理想的です。
目標を達成するために部下に指示を出し続けるのは、ずいぶんと疲弊します。それよりも部下のマインドセットを変えましょう。
そうすれば、部下の行動は自発的に目標へ向かっていきます。しかもそれは、自然に継続されるのです。
”自分の意志による行動”こそが大きな変化をもたらすのです。
人のために行動すると成果が上がる
一人でいくら頑張ったとしても、それで得られる成果なんてたかが知れています。
それよりも仲間の話をよく聞いて、その仲間のために行動するようにしましょう。その方が大きなアウトプットを生むことができますし、結果的に自分のプラスにもなるのです。
人は自分自身のことよりはるかに大きなものーつまり、メンバーそれぞれにベストを要求する組織内の、あるいは個人同士の大義ーのために力を尽くしていれば、個人が単独で成し得るものよりはるかに素晴らしい成果を達成できる。
人のせいにするではなくて、自分に原因があると考えよう
本書に掲載されているエピソードの一つに、「ひどい父親に育てられた結果、ひどい人生を送っていると考えている青年」の話がありました。
その父親は最終的に自殺してしまいます。そして、その青年の夢の中に毎日のように登場して、青年を苦しめ続けます。その青年は、父親の死後もずっと父親を恨んでいたのです。
でも、それを「外向き思考」の友人がおかしいと指摘したことで、青年の意識はガラリと変わりました。
「そんなことは全部あなたの頭のなかで起こっていることじゃない-パパの責任じゃないわ。あなたの問題よ。あなたの夢なんだから」
「あなたのパパが台無しにしたのはパパ自身の人生よ。あなたの人生を台無しにしているのは、あなた自身よ」
青年の夢の中に父親が現れることは、もう無くなりました。青年は、すべては自分自身に原因があったことを悟ったのです。
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』シリーズのおすすめ順
さて、このシリーズは本書で5冊目です。本書以外の4冊はこちら。
日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する
僕の個人的なランキングはこんな感じ。
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』>『2日で人生が変わる「箱」の法則』>『管理しない会社がうまくいくワケ』>>>>>>『日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則』 (『実践 自分の小さな「箱」から脱出する方法』は未読)
まずは『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を読んでみて、気に入ったら『2日で人生が変わる「箱」の法則』『管理しない会社がうまくいくワケ』と順に読んでいくと良いでしょう。
『2日で人生が変わる「箱」の法則』は、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』で登場したルーという人物が「箱に入っていた」ころのエピソードです。いかにして箱から脱出できたというエピソードが描かれています。
『日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則』は『自分の小さな「箱」から脱出する方法』と同内容の劣化版なので、読まなくてもいいのかなと思います。
あとがき
- 人間関係に悩んでいる人は、必読のシリーズです!
- 騙されたと思って『自分の小さな「箱」から脱出する方法』だけでも読んでみて欲しい。
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